WBC: 「勝手にどうぞ」

 野球の国別対抗戦、ワールド・ベースボールク・ラシック(WBC)に出場する韓国代表チームに「審判」という勝負を左右する変数が生じた。今回は不利な要素がない。アジア予選から米大リーグ(MLB)の審判が主審を務める見込みだからだ。
(略)
 通常、韓国・日本・台湾・中国が競うアジアでの試合では該当国の審判員が順番に自国チーム以外の試合の主審を務めてきた。このため、これまで韓国が被害を被った例は1〜2回にどとまらない。KBOは昨年11月に開かれたコナミカップアジアシリーズを例に挙げ、日本の審判はストライクゾーンが上下に広く、台湾の審判はストライクゾーンが一定せずブレがあり問題になったと説明している。

 今回のWBCでも「第1ラウンドは該当国の審判が務める」と言うのがMLB事務局の基本原則。しかしKBOは野心たっぷりにこれを変えようと試みている。

 これまでの慣行どおりなら、韓国対台湾戦を日本の主審が、韓国対日本戦を台湾の主審が務めることになる。特に韓国対台湾戦を日本の主審が務める場合、金炳賢キム・ビョンヒョン)投手のように横に曲がる球が多い韓国投手が被害を被る可能性がある。しかし米国の主審なら話が変わってくる。

 日本との試合でも有利だ。韓国代表チームには朴賛浩パク・チャンホ)、金炳賢徐在應ソ・ジェウン)、奉重根ボン・ジュングン)、金善宇(キム・ソヌ)、具臺晟ク・デソン)投手ら大リーグ投手だけでも6人いる。一方、日本は大塚晶則投手(テキサス・レンジャーズ)だけだ。

低いコースに強い日本の投手らが実戦で当惑する可能性がある。もちろん米国の審判が内角のストライクに厳しいことを韓国の投手たちも熟知しなければならない。

 韓国のこのような動きに対して、日本野球機構(NPB)は「勝手にどうぞ」といった感がある。ましてWBCについては投球数制限などMLB事務局独自の案件処理に不満が多いNPB。すでに険悪な状態なのでMLB事務局が何をどうしようと気にしないという立場だ。

『スポーツ朝鮮』

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