何かが生まれる土壌を育むということ

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先日鏡音リンが発表になったとき、某2ちゃんねるのニュース板の中でも最もレベルが低い萌えニュース+の鏡音リンスレッドに「(鏡音リンのイラストを)見たけどアイテムがたくあんていうのはアリだな」という書き込みがあって、さらにはそれに賛同者が現れたのを見てゲンナリしました。ああ、一過性のネタキャラとしか思っていないのだなあ、と。

自然発生的にアイテムが生まれたというならともかく、「何かアイテムを持たせないといけない」という固定観念はどうかな、とは思った。

ミクのネギに関しても、

そもそもミクに押し付けられたネギにしたって元をたどればBLEACH井上織姫が買ってきた夕食の材料です。彼女がネギを振るシーンがエンドレスでムービーとなり、Loitumaの曲に合わせたフラッシュがなぜか世界的ヒットになり、それをリメイクしてミクに歌わせたのが「ミクにネギ」のルーツです。

それがミクオリジナルというよりも、借り物、転用。ミクがネギを持つ理由、由来は、ミク自身にはない。Me を思い浮かべる人もいる。とはいうものの、それを

そういうミクにネギを押し付けるのは、幾多のキャラクターを消費してしまった人種の駄目な面が産み出した、あまりにプアな発想だと言わざるを得ません。

「押し付けた」と表現しちゃうところは、アレゲな発想かと。たまたまネギを振らせてみたのが多くの人のツボにはまり、流布した。意味はないけど、その不思議なミスマッチにみっくみくにされ、定着した。分かりやすい記号としてのネギ=ミクという図式が共有されること自体は(安易だという批判はあろうが)特段非難されるべきことだとは思わない。

それに対して、新キャラであるリンにアイテムを「持たせよう」という動きについては、若干無理強い感が拭えないのは確か。ミクはネギもってるんだから、リンにも持たせないと、たまねぎ?みかん?たくあん?そうしたい気持ちも分からんでもない。が、こういうのは、持たせることを前提として出された候補の中から選ぶ、というのではなく、何かを持ったリンが躍動する、人を惹きつける何か、誰かがそんな作品を神うpし、それが人々の琴線を触れまくる。もしそういうのが湧き上がってくれば自然とそのアイテムが熟し、定着していく。そういう風にして育まれるものであって、無理にアイテムを決める、ってもんでもないと思う。生まれないのであれば、無理に持たせる必要はない。

まだ、発売さえされていない。今「アイテム」という枠にこだわることはない。もっと違う何か、シチュエーションであれ設定であれ。例えばホウキに跨らせて空で歌う神動画をうpし賞賛されれば、魔法少女リンになるかもしれないし、回すんじゃなくて掘るんじゃね?となぜかシャベルもったドカタりんになるかもしれない。今は誰も思いついてないし、作れてもいない。が、明日には想像を超えた何かが生まれるかもしれない。私たちに今出来ることは、焦って狭い観念で固定化することでも、プアな発想と切り捨てるのでもなく、何かが生まれる土壌を育むことだと思う。