「若い奴は残業代ナシでも土日に仕事したい」@丹羽宇一郎・伊藤忠会長は失言か?
http://column.chbox.jp/home/kiri/archives/blog/main/2007/01/28_103838.html
丹羽宇一郎・伊藤忠会長が経済財政諮問会議で余計なことを言ったらしい。本当にそんなことを放言したのか、経団連会長の光学メーカー屋よりタチが悪いなと思いながら議事録を見物に逝ったら、話の文脈がまったく逆で、驚いた。
これの件ね。
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2007/0118/shimon-s.pdf
よく読んでみると、丹羽宇一郎氏の言ったこと、かなり内容が違う。以下、めんどうくさいので箇条書き。
- ”日本はこの10年間で時給がわずか45円しか上がっていない。107%。諸外国に比べて断然低い。最低賃金を破る罰則規定も日本は緩い。最低賃金法については底上げすべき”@8ページから9ページ
- ”ホワイトカラーエグゼンプションは残業代支給制度などの柔軟性を持たせるもの。悪用された場合のセーフティーネットは準備すべき”@10ページ
- 「ホワイトカラーエグゼンプションよりも自由労働時間制がいいのではないかと思う」@10ページ
どう読んでも「土曜日曜も会社来てスキルアップのためにタダで働け馬鹿」という内容ではなく、格差是正のために最低賃金法の金額を引き上げ逸脱業者の罰則を強化すべきとか、家で仕事はさせたくないが会社に来られても残業代を払うことになる事情から自由労働時間制がいいんじゃないかとか、その程度の話である。
ところが、痛いニュースを見たら批判一色。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/906423.html
(略)ただ、個人的に思ったのはたいした文量のpdfでもないのだから、前後の文脈きちんと読んで判断したほうがいいんじゃないかという点。そこだけ抜き出して読んだら丹羽宇一郎ってのはどういう馬鹿だ死ねクズ野郎、てか伊藤忠のエレベーター遅いんだよさっさと改修しろタコと思うかもしれないが、誤読もいいところなんじゃないかと。
むしろ、規制緩和を推し進める構造改革が少子化社会進行下での経済成長に意味があるという不文律が前提になっていてどうなんだとか、国民生活の質向上とグローバル化とを並列で語んなとか、地方格差論じて北海道死ねとか言っといて効率的な社会保障って矛盾してるだろとか、そういう各政策間の微妙な距離感があるわけでして。
まあなんだ、「安倍政権」と「著名経営者」と「労働者イジメ的発言」の三点セットで釣られてる私たちって何なんだよ、ってことだな。情報リテラシーとか言ってるレベルじゃねーぞ、と。しっかり釣られて小一時間もネット徘徊しちまったぜ。
元ソースにあたらずに条件反射的に叩いてしまうという情報リテラシー。