口頭での許諾でスタートし、契約書は後で取り交わすという「通例」

契約は口頭でも成立する、、、とは言え、法人として活動するとき、特に初めての相手との取引の場合は、口頭ベースである程度の「合意」が取れたら必ず合意内容を書面に落とし確認、契約書のドラフティングの後仮契約、そして細部を詰め本契約にサイン、というのが「通常の」やり方。少なくとも「合意内容」を書面に残しておかないと怖くて仕事してらんない。

仕事内容にもよると思うが、本契約が完全に締結されるのを待ってから仕事を始めるというのは遅すぎるので、合意が取れた時点で段取りを進めるのはよくあること。但しそれは合意内容が明確(対象、納期、金額、責任範囲など)かつ両者がそれを齟齬なく理解していることが前提。何度も取引している相手や単純なリピート案件であれば、金額、量、時期などさえ明確であれば雛形に落とし込むだけなので問題は発生しない。

こういう音楽業界、権利関係のビジネスの「通例」はよく知らんが、

  • 契約相手(原権利者)が個人かつ素人(未成年の疑いも)
  • 初めての取引相手(原権利者、クリンプトン、代行業者?)
  • 契約主体が複数(原権利者、ドワンゴ、クリンプトン、代行業者、JASRACYAMAHA(?))かつ権利関係が複雑(著作権譲渡契約、著作権管理委託契約、著作権信託契約、[商標使用許諾?])

という状態で、合意内容が不明確のまま配信をスタート、JASRACへの信託というのはあまりにひどい。「スピードの速いIT業界」はそんなちんたらしてらんねー、ということでドワンゴはぐいぐい進めてしまったのかもしれないが、あまりに拙い。