技術力が評価されるニコニコ動画 『初音ミク』 - WebLab.ota

http://d.hatena.ne.jp/n_euler666/20071006/1191672539

やはりこれもオープンソース的な動きをしていて,完成度や洗練といったことは先ず考えなくて,とりあえずネット上に公開して,問題点はネット上の議論(コメント等)で発見し,解決もネット上にいる不特定多数の”調教師”たちで取り掛かり,そこで解決できたところや成果物をまたネット上に公開して,皆でシェア(共有)する…そういったサイクルが出来上がっている
(略)
この動画(引用者注:3DPV)にあるのは,完成度や成熟度を評価したり楽しんだりすることではなく,技術力を賛美したり,次の技術を夢想するといった楽しみである.完成度を楽しみたいのであれば,『アイドルマスター』を買って楽しめばいいのである.
(略)
しかし,おそらくこれまでのニコニコ動画経験から踏まえて言うならば,ニコニコ動画は,”完成度”や”成熟度”や”洗練”といったものを楽しむ場所ではないのだ.たぶんそういった方向に進んだ瞬間,そのジャンルは熱量を失い,廃れてしまうのがニコニコ動画という場所なのだ.

それよりも,オープンソース的に解決されてゆく問題や技術開発といった目に見える成長や暴力的な発展を楽しみ,感じ,追体験する場所だと認識したほうが正しい.

私も”完成度”や”成熟度”や”洗練”といったものを楽しむことに慣れてはいる.それは私がこれまで触れてきたメディア(テレビや小説や映画や漫画やアニメ)が既に,成長期を終えて,”完成度”や”成熟度”や”洗練”といったものを志向して長い,壮年期,老年期に差し掛かっているメディアばかりだったからである.

過程を楽しむ。